
「経団連のルールが撤廃され、先輩たちの真似のような就活では周りに置いていかれるのでは?」
と不安になっている学生の方は多いのではないでしょうか。
今回は就活を実際にするとして、21卒の学生が「どうやって就活を進めて行くか」ということについて考えていきたいと思います。
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従来とは大きくは変わらない。変わるのは、〇〇だけ
経団連は9日の会長・副会長会議で、現在大学2年生である2021年春入社以降の新卒者を対象とする就職・採用活動のルールを廃止することを正式に決めた。1953年に始まった就職協定以来、約70年続いてきた就職・採用活動の「目安」がいったんなくなる。そのしわ寄せで、学生・企業双方が活動を本格化させる時期を大幅に早めかねず、学業への影響が懸念される。
みなさんもご存知の通り、2021年卒の学生から、これまで経団連が定めていた就活ルールが廃止され、経団連に所属する企業の採用活動の時期の制限がなくなりました。
これまでは3月の情報解禁、6月の面接解禁となっておりましたが、すでに形骸化し、「内々定」という形で決められたスケジュールより早期の段階で学生が確保されていました。
変わるのは、内々定という実質内定の仕組みだけです。
これまでもすでに早期から選考があったため、それが隠された形ではなくなるだけであり、19卒・20卒の学生とは就活の仕方は大きくは変わりません。
しかし、強いていうなら、
「就活は3月から始めたらいけるっしょ!!」
という学生がより一層周囲から置いて行かれる傾向になるということは言えるでしょう。
インターンは実質本選考だと思って臨もう
変わるのは企業側の都合ですが、それに伴いインターンシップの就職活動における重要度はさらに高まることも予想されます。
20卒までは経団連に所属していない外資企業やベンチャー企業が主にサマーインターンを開催しており、そこでも成果がその後の選考フローに影響を与える例がありました。
経団連に所属している企業もこれに追随し、インターンシップを積極的に開催し、学生の早期囲い込みがより広がることでしょう。
そのため、21卒以降の学生が考えるべきはこの「インターンシップ」に対する向き合い方です。
「業界研究の一環でちょっとお仕事体験でもしようかな」
という姿勢で臨むことのできるインターンシップも存在はします。
しかし、採用活動のルールがなくなった今、インターンシップは一層採用活動としての意味合いが強くなりました。
これまでも公表されてきませんでしたが、日系大手の早期選考フローは存在していました。
就活に苦労したくない方は、インターンシップ情報にも敏感になり、早期からの対策をすることをお勧めします
自己分析と業界研究は6月と2月が目安
ここまでの内容でこれからの就活では、少し就活に対する向き合い方を変える必要があることをお伝えしました。
では具体的に何をすればいいのでしょうか。
- エントリー前の自己分析
- 選考と並行した業界研究
意識して取り組む必要があるのは、以上の2つでしょう。
そしてこれをサマーインターンが始まる6月ごろと日系企業の採用活動が本格化する2月ごろの時期を目処にある程度終わらせることをお勧めします。
なぜ自己分析が必要か
自己分析とは、自分のキャリアや将来における判断軸を言語化するために必要な作業です。
これをすることで、現実的な視点に立った企業選びが可能になるため、就活始めたてのときにありがちな「身近なもの、理想や憧れ」だけで企業を決めてしまうことを避けることができます。
そしてこれはエントリー前に一度しておくことをお勧めします。
それは、ESや面接時によく聞かれる「志望動機」や「業界に関心を持ったきっかけ」に回答するには自分の価値観を原体験に紐づけて語る必要があり、これを自己分析なしで行うことは極めて難しいからです。
自己PRや強みも付け焼き刃の準備で回答すると、すぐに質問に対して回答できなくなってしまう恐れがあるため、面接対策に繋げる形で自己分析をしておくのがすぐにできる「就活対策」であると言えます。
業界研究は選考を通じて行うのが効率的
業界研究として具体的にすることとは、
- 企業のHPを見る
- 業界マップを把握する
- 業界の仕組みを把握する
などがあります。
しかしこれは、学生が触れられる媒体から得る情報では、不十分である場合があります。
それは、そのような媒体は学生からの印象を下げないように提供する情報を選んでいる場合があり、また二次情報ベースの信憑性が問われるようなものも多いからです。
そのため、深く業界について知りたい場合は、「企業説明会」に行ったり、「選考」を通じて質問をしたり、「インターンシップ」に行って業務を体験したりする方が意義のあるものと言えます。
エントリー企業は20社以上が目安。選び方は4象限で。
19卒の学生は3月の時点は平均して20.7社がエントリーしていたことがわかりました。
出典:2019年卒マイナビ学生就職モニター調査 3月の活動状況
そのため、「どれくらいエントリーすればいいかわからない」という人は
とりあえず一旦20社を1つの目安としてエントリーするといいでしょう。
そして、エントリー数に加えてその企業の選び方にも注意が必要です。
企業選びに偏りが生じないようにしよう
就活をしていて一番恐れることは、全て落選することです。
しかし、そのリスクは就活の佳境に入らないとわかりにくいものです。
なぜなら、自分の就活における実力は、選考ラッシュの時期に実際に合否が出ないとわからないからです。
だから、毎年就活の佳境になると
「やばい、20個出してもう5つしか残ってない...」
という人が続出するのです。
そのため、私がお勧めするのは、この上に掲載した画像のように縦軸に志望度、横軸に選考難易度を設定したマップを作成し、これを確認しながらエントリー先に偏りがないかをチェックするというものです。
志望業界によっては、一部の大手企業が寡占状態になっているところもありますよね。
そのようなときに気をつけたいのが、このマップでいう「右上」だけにエントリーするというものです。
その企業が人気で選考難易度が高いにも関わらず、「他の企業には興味がない」を意地を張るケース。
これは危険なので、大学のキャリアセンターで得られるOBの方々の内定先・入社先データを参考に、客観的に見て「自分ならどこなら手が届きそうか」を把握することを忘れないようにした方がいいでしょう。
最後に
就活は情報戦と言いますが、その効力が最も発揮されるのは過渡期にある21卒と言っても過言ではありません。
本質的な就活とは、企業との相性を見極めてマッチングすることです。
しかし、いまだに企業の採用活動においてこのことが本当に成り立っている会社は少ないと言えるでしょう。
情報戦の就活においては、周囲に取り残されないように情報に敏感になりながらも、自分との向き合う時間を削らないよう注意したいものです。