就職浪人してみようかな...
「就職浪人」とは、就職先が決まらずに卒業をしてしまった人のことを指します。
- 第一志望の会社にどうしても入りたくて、春の募集も追加募集も受けたけれどうまくいかなかったケース
- 就活自体を甘く見て全落ちしたケース
- 教員試験や教育実習、大学院の入試で就活のタイミングを逃したケース
など、就職浪人を目指す事情は千差万別でしょう。
ちなみに似た言葉で「就職留年」というものもあります。
これは就活がうまくいかなかったので卒業せずにあえて留年し、また来年学生として就活をするというものです。
今回は、「就職浪人をすることはアリか?」「就職浪人で前年と同じ企業に受けることはアリか」について解説していきます。
これから、「就職浪人をしようか迷っている」という方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
Contents
就職浪人をするメリット
- 新卒生よりも経験がある
- 新卒時代よりも時間が多く取れる
- 自己分析の精度が高まる
新卒生より経験がある
1つ目のメリットとして、一度就活した経験を踏まえて対策が立てられるということがあります。
「去年の就活では面接練習が足らず、その苦手を払拭することができなかった。」
「去年は就活のスケジューリングで困ったから、前もって調整しよう。」
など、一年前の経験を活かして、陥りがちなミスは回避しやすくなることでしょう。
就活に使える時間は多くある
2つ目のメリットは、就活に使える時間が多くあるという点です。
学生の時の就活とは、時期がだいたい「テスト」と被ることが多く、就活に時間を全部割きたいと考えていても、うまく割くことは難しいはずです。
就職浪人をすると、「就活に時間を割く」ことができることに加えて、学生のときには間に合わなかった資格や検定にチャレンジすることもできます。
この時間が豊富にあるというメリットは、就職浪人をする上での最大のメリットということができるでしょう。
一方で、デメリットは何でしょうか。
就職浪人をするデメリット
- 新卒枠で応募できないことがある
- 周囲のサポートを受けにくい
新卒枠で応募できないことがある
何よりも大きいのは、もはや新卒ではないため、新卒募集に応募できないという点です。
ではどうすればよいのでしょうか。
就職浪人の方の応募カテゴリーとしては、第二新卒という括りになります。
第二新卒とは、卒業後3年くらいまでの転職または就職活動する層のことを指します。
ざっくりいうと若年中途採用のことです。
つまり今度は、入社して一通り社会人マナーや研修を済ませて実務に就いたことがある層もライバルになるということです。
もし、就職浪人を志すなら、このデメリットを把握した上で対策を練る必要があるため、新卒時と全く同じような就活ができないことは覚えておく必要があります。
周囲のサポートが受けにくい
2つ目のデメリットは、周囲からのサポートが受けにくいことがあります。
大学などが開催する面接講座や、企業説明会などの参加が難しいことがあったり、新卒なら仲間同士で助け合えた情報交換もしにくくなってしまったりすることでしょう。
また、そのことが精神的なプレッシャーになることもあるので、自分なりの対処法を考える必要があります。
では、就職浪人をしたとして、前年と同じ企業を受けるのはアリか?
基本的に、仮に就職浪人をした場合、同じ企業を受けて内定をもらえることは、難しいと考えることができます。
なぜなら、新卒時はポテンシャル採用を行なっており、その前年に評価されたポテンシャルを約一年で変えることが難しいからです。
つまり、大きく自らのアピールポイントを変え、その裏付けとなるエピソードを用意しない限り、同じ企業を受けて内定を得ることは難しいことでしょう。
もし再度受けるなら3つのステップを理解しよう
どれだけ切実な思いがあったとしても、まずは一度不採用になったという事実は受け入れなければなりません。その上で次にどうすべきかを考えます。
具体的には、以下の3つのステップを踏んでいくとよいでしょう。
1、何故不採用になったのか自分なりに分析してみる
まずは冷静に、客観的に当時のことを振り返り、可能な限りのやり取りを思い出して記録していきます。
頭の中だけだとどうしても曖昧なので、紙などに書き起こしてみます。
すると何となく、あれが原因だったのではないかという心当たりが見えてきます。
何もなくて不採用になることはないので、何の心当たりもないことはほぼ無いはずです。
どんな些細なことでも思い出したら記録していけば、必ず何かしら見えてくると思います。
見えてきた点を振り返ればやがて、それが自分のミスだったのか、ミスではなくどちらも間違っていなかったけれど、かみ合わなかっただけなのか、そういったことがわかってきます。
原因がわかれば、対策の打ちようがあります。
面接官を代えてもらうことはできないので、自分が変わるしかありません。
次はこうすればよいのだという指針が見えれば、先の自信につながります。
2、第二新卒の採用基準に見合うアピールの仕方を考える
就活浪人の応募に対する対応は、企業によって様々です。その年の通常の新卒採用枠のことがあったり、第二新卒採用枠、通常の中途採用枠のこともあったりします。
どの枠で扱われたとしても、就活浪人はスタート時点でハンディキャップがあります。
通常の新卒採用枠だとしたら、同じ評価であれば現役学生が採用されるでしょう。
そのため、第二新卒採用枠であれば、新卒と同様な就活対策では不十分であることが多いと思います。
志望する企業がなぜ「第二新卒枠」を募集しているのかを自分なりに考え、その採用基準に即した人材であることをしっかりとアピールする必要があります。
3、その企業でなければならない理由を明確にする
就活浪人をしてまで入りたいのですから、自分の中では明確な理由があるのだとしても、伝え方には注意が必要です。
頑固すぎて融通が利かず、周りが見えない人間だと思われたらそれで終わりです。
その企業でしか扱っていない商品、業務があって、それに携わることでしか叶えられない自分の夢があるとしたら、そう伝えるのもよいでしょう。
また、それだけ入りたい強い思いのある企業なら、新卒応募の際にも同様のアピールをしたはずです。
それで不採用になっているわけですから、別の切り口でアピールできないと、受け取った側は、過去に不採用にした書類がまた来たと思うだけです。
就職浪人を安易にしない方がいい理由
就職浪人してまで同じ企業を受けたいと思うのは、その人の自由ですが、実際に受けるにはかなり高いハードルがあります。
どうしても入りたいと思うなら、同業他社に何とか入り込んで毎日社会人として揉まれながら、憧れの企業が中途採用の募集を出したときに即戦力として応募する方が、確率としては高いと考えることもできます。
確かに同じ会社でも、中途採用の方が入社難易度が低い企業は存在します。
しかし、やはり、中途採用なら、企業側も社会人としての基礎を持った、実務経験のある方を欲しがります。
未経験の方が欲しければ、新卒を採ればよいわけですから。
もしこのままでは就職浪人になってしまうという状況になったときは、希望業界の下の方の小さな会社に何とか入って実務経験を積み、数年後に第一志望だった企業に即戦力として中途で応募することです。
希望業界への入社が叶わないのなら、出来るだけ近い業界の入りやすい会社に入社し、そこで転職時に有利になりそうな業務を率先してこなして、自分のスキルにすることです。
結論として、就職浪人はオススメはしません。
最近でこそ第二新卒のニーズが高まっていると言われていますが、未経験なのに新卒として応募できない、
社会人経験がないのに中途採用市場で戦わないと行けない就職浪人は、どうにも分が悪いです。
やはり将来のことを考えるなら、希望業界でなくとも何としてでも正社員の職に就くべきでしょう。