「特にやりたいことはないから、業界を絞る基準がない」
「業界の絞り方がわからない」
と、感じる方は意外と多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「就活時の業界の絞り方」について考えていきます。
そもそも業界を絞るという行為は、最終的に入社する1つの企業を見つけ出すための最初のステップです。
最初からつまずいてしまうことはできるだけ避けたいものです。
今回の内容を参考に、業界を絞るためのポイントを押さえておきましょう。
Contents
いつから業界を絞りだすべきか
出典:リクルートキャリアー『就職白書2019』ーデータ集ーより作成
企業を選ぶときに最も重視した条件について、就職活動を開始した頃と12月時点で見る。
就職活動を開始した頃と12月時点ともに、重視した条件は「業種」「職種」「勤務地」の順で高かった。
開始した頃と12月時点との差を見ると、最も増加したのは「一緒に働きたいと思える人がいるかどうか」で(+6.6ポイント)、
最も減少したのは「業種」(-7.5ポイント)であった。
上のグラフを見てもわかるように、「就職活動始めたて」と「12月」の比較をしても、企業選びの条件として「業種」の比重は高くなっています。
つまり、業種選びにつまづいていると一向に就職活動が捗らず、また、内定をもらっても納得ができないという事態に陥りかねないのです。
では、どうやって業界を絞れば良いのでしょうか。
たいていはインターネットやナビサイトで検索をかけると思いますが、具体的な企業名が思い浮かばない場合は、開催時期や場所、業界で絞ることになります。
全てのカテゴリーを開けて片っ端からチェックするという方法もありますが、手間がかかりすぎて、やがて疲弊してしまうこともあります。
最終的にはどこかに就職しなければならないことは理解していても、現時点では具体的な企業名も業界も特に思い浮かばないという方も、少なからずいると思います。
直感的に気になる業界を挙げてみる
まずは直感的に気になる業界を挙げてみましょう。
そして、その業界がなぜ気になったのかを言語化してみるのです。
しかしここで注意したいことは、知識の浅い就活初期の時点では、身近なものを自分の好きなものであると錯覚し、その業界を志望してしまうということ。
その業界が気になる理由がわかれば、その要件に当てはまる他の業界がないかを確かめます。
このようにして、「理由を言語化」→「他の業界を探す」を繰り返し、1つに定めていきます。
絞るポイントは4つの軸を段階的に
業界は大きく8つに分けられる
- メーカー
- 商社
- 小売
- 金融
- マスコミ
- サービス
- ソフトウェア・通信
- 官公庁・公社・団体
以上のように業界同士を比較して、自分の好む業界であるかを調べていると、最終的には、自分の「性格」に近い所に判断基準があることに気がつくかと思います。
例えば、「不動産業界なんかいいよな」→「年収を上げられるチャンスがあるからだ。でもキツそうなのは嫌」→「年収が高い業界他にもあるな」→「メーカーだと企業によっては年収が高いな。働きやすそうだし。」
という風になると、最後の決め手になるのは自己分析を経て見つけ出した自分が尊重すべき「軸」になります。
ポイントは4つの軸を段階的に考えていくことです。
①やりたいこと
1つめは、やりたいことです。
就活という枠に囚われず、現在、過去、未来にやりたいことを洗い出してみます。
例えば、今ショッピングモールに行きたいと思うなら、そこにどんな魅力があるからなのか、そこで自分が面白そうと思えることが何かあるか、それを自分がやってみたいと思えるか、を考えてみます。
現在、未来に何も思い浮かばない場合は、過去を遡って幼少期に好きだったことなどを思い返してみます。
それを今もやりたいと思うか、仕事という視点で見たときに、それはどんな職種になるのか、から考えてみても良いと思います。
②できること
2つめは、できることです。
自分の感情は一旦置いて、誰かから
「向いている」「得意だよね」
と言われてきたことを思い返してみます。
また自分でも、特に好きでもないけどできてしまうことを思い出してみましょう。
そう言えば、サークルでイベントやると、会計とか集金担当じゃないのに自分がいつも収支計算しているな、とか。
それはきっと嫌だったら断るし、苦手に見えたら誰かが文句を言うでしょう。
そうならなかったのは、周りの人達があなたに任せておくのがベストだと思ったからに他なりません。それはあなたのできることなのです。
③学んだこと
3つめは、今学校で学んでいることを活かせる業界を探すことです。
もしくはバイトやボランティアなどでも、自分の経験として持っているものを活かす方向でも良いでしょう。
④性格に合うこと
4つ目は、自分の性格に合ったところを探すことです。
いくら、どの業界でも問わないと言ったところで、業界ごとの文化に対して感じるものは、それぞれ違うと思います。
そのため、性格に合ったところを探すなら、
「これまで評価されることが嬉しかった。→成果主義の環境で働きたい。→この業界のこの職種が合っているかもしれない。」
と考えるのです。
業界を絞るとはキーワードを探すこと
これら4つは最初は別々に考えますが、洗い出したものを並べてみて、全てを満たしているものがあれば、文句なく目指すべき業界ということができます。
しかし、そこまで一貫している方は、そもそも業界を絞れないという状況に陥らないでしょう。
これら3つの軸を段階的に見ていけば、たいていの方は何か1つは見つけられると思います。
業界を絞るとは、つまりはキーワードを探すということになりますが、漠然と興味のあるキーワードを思い浮かべようとしてもうまくいきません。やはり自分が生きてきた過程から考察し、なおかつ範囲をある程度絞った方が見つけやすいでしょう。
しかし就活が進むにつれて、やがて気づくはずです。得意でない学部、学校を受験するはずはないし、嫌いなものが得意になることもないし、褒められたり肯定されたりとささやかでも成功体験のないものは、たいてい好きになっていないはずだからです。
結局は全てつながっているのです。業界を絞るとは、単にそれらを解きほぐす作業にすぎません。