就活とは、起業する方や特殊な進路を歩む方を除くと、大学3年や大学院1年くらいになればみんながするものですよね。
しかし、
「なかなか就活を始める気にならない」
「まだ就活始めなくてもいいでしょ!みんなまだやってないし。」
このような方も多いと思います。
でも、そもそもなぜ就職活動を始めるのでしょうか。
また、そもそもその開始するタイミングは適しているのでしょうか。
そこで今回は「就活の目的や就活を始めるべき時期」について解説していきたいと思います。
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就活の目的とは
就活の目的は、大前提に一つ、「企業に就職するため」です。
でも、本当にそれだけが目的でしょうか。
今の日本は売り手市場と言われ、人手が足りていない会社が山ほどあります。
つまり、企業に就職したければ、人手が足りていない会社に訪問して、
「社員にしてください!」
と言えば、そのまま入れてくれることもあるかもしれません。
これが成り立ち、このことに対して不安感を感じない人たちにとっては就職活動は必要ありませんよね。
一度、下の表を見てみてください。
転職理由ランキング(総合)【1位~10位】
出典:https://doda.jp/guide/reason/
これは、DODAがサービス登録者を対象にした統計調査を元に出した転職理由ランキングです。
転職理由の1位は「他のやりたい仕事がある」、2位が「会社の将来性が不安」3位が「給与に不満がある」です。
これを見て思うことはありませんでしょうか。
私はこう思いました。
もちろんやむを得ない事情はあるかと思いますが、
「いや、入社前から対策できたやろ!」です。
自分の価値観や性格をしっかりと把握していれば、「他にやりたいことがある」とはならないでしょうし、会社の情報をきちんと集めれば経営状況もわかったでしょうし、転職者の声や人材紹介サイトを見れば大まかな待遇もわかることができたかもしれません。
つまり、不本意な転職はある程度未然に防ぐことができることなのです。
せっかく新卒で入った会社なのに、早々に会社のダメなところを見つけてしまい、「あ、この会社辞めたいかも」って思うのは、なんとも悲しいことですよね。
だからこそ、僕が言いたいのは、「企業に就職するため」ということを就活の目的とせず、
「自分に性格に合った」「後悔のない」就職をすることを目的とするべきなのです。
就活をしないとどうなる?
こちらの記事によると、2017年時点で社会人10年目までの約4割が新卒時の就活に後悔しているといいます。
そして、その後悔している人の2人に1人は実際に転職をしています。
見出しには「就活をしないと」と書きましたが、おそらくこの調査対象の人たちも新卒の時に、本人たちが最低限だと思う程度には就活をしていたはずです。
でも、後悔してしまうことになってしまうのです。
まとめると、しっかりと就活をしなければ、
- 会社に入ってから待遇の悪さに気づく
- 会社に入ってから自分のやりたいこととのズレに気づく
- 会社に入ってから会社の文化に合わないことに気づく
など、不本意な転職を招きやすいということです。
「先輩や親はそんなに早くから就活をしていない」...
とはいえ、就活生にとっては入社後のことよりもより早く内定を得て安心したいものです。
納得できるに越したことはありませんが、「入社できればまあとりあえずはいいや」と考える方もいらっしゃることでしょう。
そして、何と言っても、「それなりの時期に就活してたらなんとかなるやろ!」
という謎の楽観思考が行動を起こすことを邪魔しているのかもしれません。
でも、その判断はこれまでに得た就活に関する情報を元に作り出されたものがほとんどではないでしょうか。
また、その情報の発信源は、「家族」「先輩」ですよね。
その情報が信じるに値するかを確かめようとしない方も多くいます。
では、一度このグラフを見てみてください。
出典:リクルートキャリア 就職みらい研究所『就職白書2019』
これを見るとまず目に止まるのは卒業年次の3月の数値の高さですよね。
もう一度、これを2018年卒以前と2019年卒を比較してみて見てください。
明らかに卒業年次の3月に開始した人間の数は減り、卒業年次前年の6月以前に開始した人間が多くなっています。
このグラフからみてわかるように、今の学生たちは過去の学生よりも早い時期から就職活動をしているのです。
たった一年でここまで結果が変わるのでありますから、年長者に就活について教えてもらう場合は一度自分に当てはまる内容であるかを考えた方がいいかもしれません。
リスクヘッジ/リスクテイクとしての就活
私は就活を早く始めることは「リスクヘッジ」と「リスクテイク」の両方になり得ると考えています。
リスクテイク:リスクを取ること
リスクヘッジについては、「早く始めることによって、早期選考権や企業研究が進み、就活の悩みを払拭しやすく、また入社後のミスマッチを減らすことができる」です。
入社後のミスマッチ、就職できないこと=リスクを回避できることを指します。
これはここまで読んでいれば考えやすいことです。
そして、リスクテイクは「早く就活に時間を割くことにより、就活以外の物事に対して時間を割けなくなること」です。
例えば、遊ぶ時間が減ってしまうことやアルバイトをする時間が少なくなってしまうことがあります。
つまり、自分の好きなことができないこと=リスクを取ることを指します。
就活をなかなか始められない人は、この後者のリスクや就活という壁が立ちはだかる現実を直視しなければならないことへの抵抗感が原因となっているのでしょう。
しかしよく考えてみてください。
リスクを取らないことは、なリスクを取っていることになるのです。
これは矛盾しているように見えますが、
「(短期的な)リスクを取らないことは、(長期的な)リスクを取っていることになる」と言うことです。
つまり、リスクテイクをしない行為、つまり就職活動を始めない行為はその瞬間のリスクからは逃れられますが、数年後の未来を左右するリスク(不本意な離職等)を高めているのです。
就活を開始することに迷ったり抵抗感がある原因は、ここにあると言ってもいいでしょう。
短期的な利益だけにこだわらずに長期的な視野を持って、ご自身にとっての最適な判断するべきだと言えます。
では、いつ就活を始めるべきなのか
就職みらい研究所『就職白書2019』
これはリクルートキャリアによる調査結果です。
以上からわかることは3つ。
- 情報収集はみんな早くからやっている
- 3月の解禁と同時に本格始動する
- 内定は5月にもらう人が多い
これは体感でわかるものとほとんど違いはないと思います。
また、このようなデータもあります。
・入社予定先企業・組織等への「満足」は83.0%と経年で8割を維持も、 「納得」は低下傾向。
・「プレエントリー」平均実施社数27.38社(2018年卒差-8.46社)、「個別企業の説明会・セミナー(対面)」平均実施社数12.83社(-1.46社)
出典:リクルートキャリア 就職みらい研究所『就職白書2019』
ここからどのようなことが言えるでしょうか。
私は主に2つの可能性があると考えています。
1.エントリー数こそは多いが、納得して終わることを意識した企業選びができていない。
→第二志望群以降の企業選びの仕方が妥当でない。
2.内定してからわかった事実によって、入社が確定してからその企業に対する志望度が下がってしまった。
→面接の攻略等の目の前の課題を解決する情報を集めることに終始し、実際に働くことをイメージした情報を得られていない。
これらのことから私が出した結論は以下です。
情報収集は早ければ早いほどいい(学年は関係ない)
これは早くから情報収集をしておくと、付け焼き刃の知識で面接に臨むことを避けれられるだけでなく、長期的な視点での企業選びをするための自分なりの判断基準が得られるからです。
また、企業で働くことを念頭に普段の生活をしていると企業への志望理由を形作る原体験が作りやすく、選考における不安も払拭できます。
第2志望群以下の企業選びにも早くからすべき
納得ができない原因の1つは、企業と学生の情報の不均衡でありますが、これは志望度が低い会社のことは調べようとしない学生側にも問題があると考えます。
そのため、企業選びの軸を考え、それに見合った企業を志望群ごとに分けて積極的に情報を集めることが肝心です。
まとめ:なぜ就活をする必要があるのか
ここまで読むと就活をするべき理由は自ずとわかったかもしれません。
人の進路は様々であり、企業に就職することだけが全うな進路決定であるとは微塵も思っていません。
私が言いたいことは、「どうせ就職するつもりなら早くから動き出さないと損するから気をつけて」「毎年就活の環境は変わるから、先輩や親のノリでは間に合わないよ」と言うことです。
「でも、どうやって就活を始めたらいいかわからない」
「内定までの近道を予め知ってから、納得のいく就活をするための情報を集めたい」
と思っている方もいるかもしれません。
そのような方は、この他の記事もぜひ読んでみてくださいね。